【173年ぶりの建築儀礼】阿蘇神社楼門復旧工事 上棟祭

令和4年9月2日、平成28年の熊本地震で倒壊した阿蘇神社楼門復旧工事の上棟祭が執り行われました。

復旧工事が進められている素屋根の中で行われた上棟祭には、神職、工匠らを含む約60名が参加し、建築の神を祭場に招き下ろす降神の儀(こうしんのぎ)や、お供え物を献じる献饌(けんせん)が行われた後、7人の工匠による上棟の儀が行われました。

上棟の儀ではまず、棟木(むなぎ)を棟(むね)にひき上げる所作を模した曳綱(ひきつな)の儀が行われ、楼門の最上部から垂らされた2本の綱を参加者全員でつかむと、振幣役(ふりへいやく)の掛け声にあわせて一斉に綱をひきました。

次に行われたのが、棟木を棟に打ちつける所作を模した槌打(つちうち)の儀で「えい、えい、おー」という掛け声のあと、槌打ち役が鳴らす木槌の音が素屋根の中に響きました。

そして上棟の儀の最後には、散餅散銭(さんぺいさんせん)の儀が行われ、建物の四方にお餅とお金を散じることで災いが取り除かれました。

また神事の終了後には神社参道で餅まきが行われ、楼門の扁額(へんがく)の高さから一斉に餅が撒かれると、参加者は嬉しそうな表情で撒かれたお餅を拾い集めていました。

楼門の復旧工事の進捗状況は8割以上で、順調に進めば来年の6月ごろには素屋根の解体が始まり、復旧した楼門の姿が見えるようになるとのことです。