少女が59日間火を守り続ける霜神社火焚き神事

火焚神事 写真

霜の害から農作物を守る為、少女が59日間にわたって火を焚き続ける国指定の重要無形文化財、霜神社の火焚き神事が、今年も8月13日から始まります。

霜神社火焚き神事とは?


平成29年 霜神社火焚き神事の様子

火焚き神事 AsoPedia

この火焚き神事は、阿蘇市役犬原にある霜神社で行われる神事で、農作物を霜の害から守り五穀豊穣を祈るものです。早霜で農作物に害を与える悪霊を鎮めたという神話に由来しているとされており、毎年地元の少女が火焚き乙女に選ばれ、59日間火焚き殿で火を焚きご神体をあたため続けます。

霜神社の火焚き神事は、阿蘇の農耕祭事のひとつとして国の重要無形民俗文化財に指定されています。

霜宮神社の鬼八神話

鬼八神話 AsoPedia

阿蘇大明神(健磐龍命)に使える鬼八法師は大明神が的石(旧・阿蘇町)を的に蛇の尾山から弓を射るたびに矢を取りに行っていました。鬼八は99本目までは拾って持って行きましたが、足の指に挟んで矢を投げ返してしまいました。怒った阿蘇大明神は逃げる鬼八を高千穂まで追いかけ討ちます。

大明神に討たれた鬼八の首が天に昇って霜を降らすようになったので、火焚きをして鬼八の首ををあたためる神事を行うようになったと言われています。

59日間火を守り続ける火焚き乙女

8月19日の「乙女入り神事(乙女が火焚き殿で火を焚き始める)」から10月16日の「乙女揚げ(乙女が火焚き殿を出る)」までの59日間火の世話は、火焚き乙女と呼ばれる、氏子の集落から毎年輪番で選ばれた少女が行います。

昔はこの間ずっと敷地から出ることは出来ずに、学校にも行けなかったそうですが、現在は地域の人たちが協力して火の世話をしているそうです。

火焚き神事日程

8月13日 注連卸し お払いの式
8月19日 乙女入れ 乙女が火焚き殿で火を焚き始める
9月15日 温め綿入れ 真綿でご神体を包みあたためる
10月16日 乙女揚げ 乙女が火焚き殿を出る
10月18日 夜渡祭

火焚き神事の見どころ

8月19日 乙女入れ


平成28年霜神社火焚き神事 乙女入れの様子

8月19日10時頃から霜神社近くの火焚殿で神職が古式にのっとって火打石で火を起こし、その火を火焚き乙女とその身の回りの世話をする乙女の祖母が火焚き所に火をくべ、ご神体を迎える準備をします。

それから霜神社で神事を行い、ご神体を神輿に乗せ火焚き殿へ。火を焚く場所の上に御神体を木箱に入れたまま納め、これから59日間の火焚きが始まります。

10月16日 乙女揚げ


平成28年 乙女揚げの様子

10月16日10時頃、霜神社近くの火焚殿で59日間焚き続けられた火を火焚き乙女が灰をかけて消し、その上に納められたご神体は神輿に乗せられ霜神社に戻されます。

10月18日 夜渡祭


平成24年 夜渡祭の様子

10月18日の夜から19日の早朝にかけ、火焚き神事のしめくくりとなる夜渡祭が行われます。神職による古代神楽や相撲の奉納があり、神職と火焚き乙女による火渡りも行われます。

霜神社・火焚殿アクセス

霜神社
熊本県阿蘇市熊本県阿蘇市 役犬原
お問合せ:阿蘇市経済部観光課 TEL:0967-22-3174

※平成30年8月現在、熊本地震の影響で国道57号などが通行止めとなっています。
阿蘇地域への通行可能なアクセスルートは↓「阿蘇地域アクセスルートマップ」をご確認ください。

「阿蘇地域アクセスルートマップ」
http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/tecforce/pdf/asoaccess